静岡銀行の不動産投資融資を徹底分析【2025年版】IR決算データで読み解く積極融資の実態

「静銀は積算さえ出れば通してくれる」「首都圏の物件でも静岡の地銀が融資してくれた」——不動産投資家の間でこうした口コミが絶えない静岡銀行。しかし、口コミだけでは実態はわかりません。

本記事では、しずおかフィナンシャルグループ(証券コード:5831)が2025年5月に公表した2024年度決算ハイライトと決算説明資料をもとに、公式IRデータだけを使って静岡銀行の不動産融資の実態を徹底分析します。数字が示す「積極融資の本当の理由」をお伝えします。

静岡銀行とは?地方銀行トップクラスの規模と特徴

貸出規模10兆円超の地銀最大級プレーヤー

静岡銀行は、静岡県を地盤とする地方銀行で、持株会社「しずおかフィナンシャルグループ」傘下に属します。2024年度の貸出金残高(平残)は10兆5,299億円で、地方銀行としては全国トップクラスの規模を誇ります。

同行の特徴は、中小企業向けや消費者ローン(アパートローンを含む)に強みを持つ一方、大企業向け貸出には積極的でない点です。2024年度の大・中堅企業向け貸出は1兆8,462億円と前年比マイナス(△0.2%)だった一方、消費者ローンは3兆9,850億円で前年比+4.0%と全体の貸出成長率(+3.2%)を大きく上回っています。

この「大企業より個人向け」という姿勢が、不動産投資家にとって付き合いやすい銀行である理由の一つです。

静岡銀行のアパートローン残高推移と成長率

3年間で12%増:1兆2,537億円の正体

IRデータで最も注目すべきは、アパートローン残高の伸びです。末残(期末残高)の推移を見ると、以下のように一貫して成長しています。

2023年3月末は1兆1,171億円でしたが、2024年3月末には1兆1,728億円、2025年3月末には1兆2,537億円に達しました。3年間で約12%の増加、前年比では+809億円(+6.9%)という成長率です。

銀行全体の貸出成長率が+3.2%であることと比べると、アパートローンだけが突出して伸びていることがわかります。偶然ではなく、意図的に拡大している戦略的な判断と読めます。

県外融資が4倍超のペースで拡大:首都圏投資家を積極的に取り込む

さらに重要なのがエリア別の内訳です。2025年3月末時点で、静岡県内のアパートローン残高は6,872億円(前年比+157億円)でした。一方、県外(主に首都圏)は5,665億円(前年比+652億円)と、県内の4倍以上のペースで伸びています。

「首都圏の物件でも静岡の地銀が貸してくれた」という口コミは誇張でも噂でもなく、銀行のIRデータに堂々と記録されている事実です。静岡銀行は今や、静岡県の地銀という枠を超えて、首都圏投資家への越境融資を主力戦略の一つとして位置づけています。

なお、不動産投資ローンの審査基準については別記事でも詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

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積極融資でも不良化しない理由:品質データを読む

延滞率0.04%という驚異の水準

積極的に融資を伸ばしていても、不良債権が増えては意味がありません。ここが静岡銀行の真骨頂です。

アパートローンの延滞率(3ヶ月以上)は、2023年3月末の0.03%から2025年3月末の0.04%まで、ほぼ横ばいを維持しています。業界平均と比較しても、この数字は極めて健全な水準です。融資残高を年率6.9%で増やしながら、延滞率はほぼ動かない——これは「選んで貸している」証拠です。

賃貸物件の入居率が示す担保の健全性

延滞率が低い背景には、融資物件の高い稼働率があります。静岡銀行が公表している賃貸用不動産の入居率(2023年12月末)は、静岡県内が94.3%、県外(首都圏)が95.4%です。

県外物件の入居率が県内を上回っている点は注目です。静岡銀行が融資した首都圏の物件は、高水準の稼働を維持できています。入居者がいる限り家賃収入が入り、ローン返済も滞らない——延滞率の低さは、こうした物件の実態に裏打ちされています。

また、銀行全体のリスク管理債権比率は2025年3月末に0.85%(過去最低水準)を達成し、リスク管理債権の実額も1,010億円から929億円へと81億円減少しました。積極的な不動産融資がリスクを押し上げていないことが数字で確認できます。

なお、ローン審査を通りやすくするためのポイントは不動産投資ローン審査に通らない人の特徴7選もご参照ください。

金利上昇局面での静岡銀行の戦略

利回り改善で「貸す旨み」がさらに拡大

2024年度は日銀が政策金利を引き上げ、住宅ローン・アパートローンの金利環境が大きく変わりました。静岡銀行の法人向け貸出利回りは、2024年8月の1.37%から2025年3月には1.76%まで上昇しています。

金利が上がれば、銀行が得る利息収入は増えます。実際、2024年度の資金利益(貸出金利息などを含む収益)は前年度比+195億円の1,493億円に達し、過去最高水準を更新しました。

「延滞率0.04%・入居率95%超」という実績を持つアパートローンは、金利が上昇しても「貸すに値する優良な資産クラス」と評価されます。リスクが低いうえに利ざやが拡大しているため、静岡銀行にとって不動産融資の優先度はむしろ上がっています。

金利上昇が投資判断に与える影響については、金利上昇局面で選ぶべき区分マンション投資会社3選もあわせてご参照ください。

SFG不動産投資顧問の急成長:「融資だけの銀行」から脱却

2024年度に注目すべきもう一つの動きがあります。グループ会社「SFG不動産投資顧問」が急成長していることです。

同社の2024年度の経常利益は7億円(前年はほぼゼロからの立ち上げ)、手数料収入は9億円(AMフィー4億円+コンサルフィー5億円)、アセットマネジメントの受託残高は615億円に達しました。静岡市・藤枝市との連携協定、静岡県との有償コンサルティング契約、地域共創ファンド(東海)の組成など、立て続けに実績を積み上げています。

これは、不動産を「単なる融資対象」から「事業として主体的に関与する領域」へと転換しつつあることを示します。将来的には、融資だけでなく物件のアセットマネジメントまで一緒に考えられる銀行という位置づけになる可能性があります。

静岡銀行の融資条件まとめ【2025年版】

金利・融資期間・対象エリア

IRデータに加えて、業界で広く共有されている融資条件をまとめます。なお、これらは公開情報に基づく参考情報であり、個別の審査結果を保証するものではありません。

  • 融資金利:1.0%台(地主・優良顧客)〜3.6%台(サラリーマン新規)
  • 融資期間:最大35年(RC・木造ともに耐用年数超えも積算評価次第で可)
  • 融資比率:担保評価次第でフルローン可
  • 対応エリア:静岡・東京・神奈川・埼玉南部・千葉東京寄り
  • 東京での対応:東京営業部で一括審査
  • ターゲット:年収500〜700万円以上、個人・法人の総合評価

審査基準:「属性より積算」の哲学

静岡銀行の審査で最も重視されるのが土地積算評価です。年収や勤務先といった「属性」よりも、物件の土地値がいくら出るかを優先します。

この哲学が、他行では断られた築古・高積算物件でも静岡銀行が通したという口コミの背景にあります。築年数が古くても、土地値が出ていれば積極的に検討してもらえる——これが「属性より積算」の実態です。

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静岡銀行に向いている投資家の特徴

IRデータと現場情報を総合すると、静岡銀行との相性が良い投資家像は以下のように整理できます。

  • 年収500〜700万円以上のサラリーマン・会社員
  • 土地積算評価の出る物件(築古・地方物件でも可)
  • 東京・神奈川・埼玉・千葉エリアで物件を探している人
  • 他の都市銀行・メガバンクで融資を断られた経験がある人
  • フルローンに近い条件で融資を引きたい人
  • 法人と個人の総合評価を活用したい人

逆に、収益物件の収益力(積算評価が出にくい純収益型物件)だけで評価してほしい投資家や、静岡・首都圏以外(東北・北海道など)での物件に融資を求める場合は、他行の方が適している可能性があります。

地銀融資を比較するための5つの指標

今回静岡銀行の分析で使ったデータポイントは、どの地銀・ノンバンクにも応用できます。融資先を検討するときは、以下の5指標をIR資料から確認する習慣をつけましょう。

  1. アパートローン残高の成長率:積極的に伸ばしているか、縮小方向か
  2. 県外アパートローンの比率:越境融資に前向きかどうか
  3. 延滞率(3ヶ月以上):積極融資の品質を示す指標
  4. 賃貸用不動産の入居率:融資した物件が実際に稼働しているか
  5. リスク管理債権比率の推移:全体的な信用コスト管理の状況

静岡銀行はこの5指標すべてで優秀な結果を示しています。次に分析すべき地銀・ノンバンク候補としては、西京銀行(山口)・オリックス銀行・千葉銀行・横浜銀行が挙げられます。今後の記事でも順次分析していく予定です。

まとめ:静岡銀行が積極的な本当の理由

本記事の分析結果をまとめます。

  • アパートローン残高は1兆2,537億円(前年比+6.9%)で意図的に拡大中
  • 成長の主役は首都圏への越境融資(県外+652億円 vs 県内+157億円)
  • 延滞率はわずか0.04%——積極融資でも品質は最高水準を維持
  • 入居率は県外物件で95.4%——融資物件がしっかり稼働している
  • リスク管理債権比率は0.85%で過去最低を更新
  • 金利上昇で利ざやが拡大し、銀行側の「貸す理由」はさらに増している
  • SFG不動産投資顧問(AM残高615億円)が事業として本格化

静岡銀行が積極的なのは「審査が甘い」からではありません。稼げる物件に絞って融資しているから、延滞率0.04%という超低水準を維持しながら拡大できているのです。

地主・高属性サラリーマン・積算の出る物件——この条件を揃えた投資家にとって、静岡銀行は引き続き最有力の融資先の一つであり続けるでしょう。融資先選びに迷っている方は、まず無料相談から始めることをおすすめします。

参照データ:しずおかフィナンシャルグループ 2024年度決算ハイライト(2025年5月)、同決算説明資料、同有価証券報告書。本記事は公開情報に基づく分析であり、特定の金融機関・投資商品への勧誘を目的とするものではありません。

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