千葉銀行のアパートローンを検討している不動産投資家に、まず知っておいてほしい事実がある。千葉銀行の代表的な不動産投資融資商品「金利選択型アパートローン」は、商品概要に「複数の賃貸用不動産を所有していない方」という条件が明記されている。これは事実上の「1物件目限定」制度だ。既に不動産を保有している投資家が2棟目・3棟目を狙って千葉銀行に申し込んでも、商品の設計上そもそも対象外となる可能性が高い。2025年3月期のIRデータを中心に、千葉銀行の不動産融資の実像を徹底解説する。
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IRデータから読む千葉銀行の規模と健全性
千葉銀行は東証プライム上場(コード:8331)の千葉県最大の地方銀行で、単独地銀として横浜銀行に次ぐ関東第2位の規模を誇る。2025年3月期末の総資産は21兆6,312億円(前期比+3,225億円)、貸出金残高は13兆1,831億円(前期比+4,613億円)だ。
貸出金の増加内訳を分解すると、事業者向け(法人・中小企業)が3,263億円増(増加分の約71%)、住宅ローンが826億円増となっている。個人の住宅ローンよりも事業性融資が成長の主軸であることが数字から読み取れる。
融資の健全性を示す不良債権比率は0.91%で、前期末と同水準を維持している。リスク管理債権(不良債権)は1,215億円(前期比+30億円)。カバレッジ比率(引当金+担保・保証の合計)は全体で70.7%、危険債権76.2%、要管理債権56.4%だ。地銀平均(1〜1.5%台)を大きく下回る0.91%という数字は、千葉銀行の慎重な審査姿勢の結果といえる。
金利選択型アパートローンの商品設計
千葉銀行の代表的な不動産投資融資商品「金利選択型アパートローン」のスペックを詳細に見ていく。
融資対象物件は木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・RC造の賃貸アパートおよびマンション(新築・中古・増改築)だ。融資期間は1年以上35年以内(新築木造は耐用年数22年内の25年まで、劣化等級取得の場合は30年まで延長可能)。融資金額の上限は1億円(10万円単位)。
金利は借入時に変動金利または固定金利(3年・5年・7年・10年から選択)を選べる仕組みだ。最優遇の変動金利は1.27%〜となっているが、属性・物件・自己資金の状況によって2.475%〜3%台になることもある。2025年3月31日には日銀の金融政策見直しを受けてローン基準金利を改定しており、変動金利は上昇傾向にある。
担保は融資対象物件への抵当権設定と、ちばぎん保証株式会社の保証が条件だ。元金据置は一括借入の場合に6ヶ月以内で設定可能となっている。
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最重要制約:「1物件限定」制度の意味と影響
千葉銀行のアパートローン商品概要には「複数の賃貸用不動産を所有していない方」という条件が明記されている。これが事実上の「1物件目限定」制度だ。
この制約が意味することを具体的に整理する。すでに賃貸アパートや投資用マンションを1棟でも保有している場合、千葉銀行の金利選択型アパートローンは申し込み対象外となる。つまり、千葉銀行は「不動産投資のスタートアップ層(初めての1物件)」に特化した商品設計をしているのだ。
この戦略的な絞り込みには合理的な理由がある。複数棟保有の「プロ投資家」は、物件ポートフォリオが複雑で審査コストが高い。一方で初めての1物件への融資は、物件の単純さと申込者の「保有実績ゼロ」という審査しやすさがある。千葉銀行はこの層に集中することで、不良債権比率0.91%という高い審査品質を維持している。
投資家視点から見ると、千葉銀行は「最初の1棟を低金利で取得するための銀行」として位置づけられる。1棟目を千葉銀行で組んだあと、2棟目以降はオリックス銀行や横浜銀行などの複数棟対応の金融機関に当たるという戦略が現実的だ。
審査基準の実態:年収1,000万円が事実上のライン
公式の審査基準は「安定した収入があり、ちばぎん保証(株)の保証を受けられる方」と書かれているだけだが、現場の実態は異なる。
年収については、以前は700万円が一つの目安だったが、近年は実質的に年収1,000万円前後が事実上の審査ラインとなっていると言われる。金融資産については3,000万円以上が審査テーブルに乗る最低ラインとされているとの情報もある。
自己資金の要件は属性によって大きく分かれる。属性の良い会社員(年収1,000万円以上・上場企業・勤続年数長い)であれば、物件価格の1割程度の自己資金で融資が通る場合がある。一方で自営業者には物件価格の5割の自己資金が事実上の前提とされており、フルローンは現在取り扱っていない。
勤続年数も重要な審査要素だ。転職直後や勤続1〜2年程度では審査が通りにくい傾向がある。勤続3年以上が一つの基準とされている。
対象エリアと除外条件
千葉銀行のアパートローンの融資対象エリアは、千葉県全域を中核として、東京都の東側(江東・墨田・葛飾・江戸川区など)、埼玉県の都市部、茨城県南部に広がる。申込者自身が千葉県または東京都内に居住していることが条件だ。
融資を断る条件(除外条件)も重要だ。まずスルガ銀行の抵当権が設定された物件への融資は行わない。2018年のスルガ銀行不正融資問題以降、同行が融資した物件には物件評価の水増し・書類改ざん疑惑がつきまとうため、千葉銀行はこのリスクを遮断している。次に、頻繁な売買を繰り返す法人や、2〜3年での一括返済を前提とした短期転売目的の融資も断られる。再建築不可・シェアハウス・容積率オーバーなど適法でない物件も対象外だ。
5つのKPIで他行と比較する
千葉銀行を地銀・ノンバンクの主要5行と比較すると次のようになる。
規模の面では総資産21兆円で横浜銀行(24兆円)に次ぐ関東第2位。健全性の面では不良債権比率0.91%で横浜銀行(0.8%台)と並ぶ優良水準だ。商品制約の面では「1物件限定」という最も厳しい制約を持つ。他行(横浜銀行・オリックス銀行・東京スター銀行)は複数棟対応可能だ。
審査基準の面では年収1,000万円・金融資産3,000万円以上という最も高いハードルを設定している。一方で金利面では最優遇変動1.27%〜と5行の中で最低水準を誇る。静岡銀行(1.2%〜)と並ぶ低金利は、「1物件目の低コスト取得」に向けた最大の強みだ。
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2026年の金利環境と千葉銀行の動向
2025年3月31日に千葉銀行はローン基準金利を改定した。日銀の金融政策見直し(利上げ)に対応したものだ。2026年5月時点で日銀は政策金利を0.75%に据え置いているが、6月会合での追加利上げが高確率で織り込まれており、千葉銀行の変動金利は引き続き上昇圧力にある。
変動金利が上昇する局面では、固定金利(3〜10年選択)でのスタートも検討に値する。千葉銀行の金利選択型アパートローンは名前の通り固定金利への変更が可能で、変動から固定への変更は月次の約定返済日に手数料33,000円(税込)で行える。金利上昇が続く場面では、固定金利で当面のキャッシュフローを安定させる選択が有効だ。
千葉銀行に融資申込するための手順
千葉銀行のアパートローンを申し込む場合の一般的な流れを整理する。まず千葉銀行の支店窓口への相談から始まる。Web完結型のオリックス銀行と異なり、千葉銀行は支店担当者を通じた対面相談が基本だ。
必要書類として、本人確認書類・源泉徴収票(直近2年分)・確定申告書(自営業の場合)・物件の売買契約書・建物登記簿謄本・レントロール(賃料収入明細)などが求められる。事前に書類を揃えておくことで審査がスムーズに進む。
審査期間は仮審査で1〜2週間、本審査で2〜4週間が目安だ。売買契約から決済まで時間が限られる物件の場合は、早めに相談を開始することが重要だ。
よくある質問
Q: 千葉県外に住んでいますが、千葉の物件を購入する場合に千葉銀行で融資を受けられますか?
A: 申込者が千葉県または東京都内に居住していることが条件です。埼玉・神奈川在住の方は対象外になる場合があります。物件が千葉県内であっても居住地が条件外の場合、横浜銀行やオリックス銀行を検討することになります。
Q: 2棟目の購入に千葉銀行は使えますか?
A: 原則として使えません。「複数の賃貸用不動産を所有していない方」が対象であるため、すでに1棟保有している方は対象外となります。2棟目にはオリックス銀行・横浜銀行などを当たることを推奨します。
Q: 千葉銀行と横浜銀行の使い分けはどうすればよいですか?
A: 物件のエリアで分けることが合理的です。千葉県・東京東側(江東・葛飾など)の物件は千葉銀行、神奈川・東京南西部の物件は横浜銀行を最初の選択肢とすることで、最も低い金利での融資を引き出しやすくなります。
まとめ:千葉銀行アパートローンが最適な投資家プロフィール
千葉銀行のアパートローンが最適なのは、年収1,000万円前後・金融資産3,000万円以上・初めての不動産投資・千葉県か東京東側の物件を対象にしている会社員だ。最優遇変動1.27%〜という低金利は、初回取得のコストを最小化するうえで他行では代替できない強みだ。
一方で、複数物件を目指す投資家・自営業者・フルローンが必要な場合・千葉エリア外の物件を狙う場合には、最初から別の銀行(横浜銀行・オリックス銀行・東京スター銀行)を検討することが時間とコストの節約になる。
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