【2026年相続税改正】不動産節税スキームが終わる!路線価→購入価格評価への変更と令和9年施行前の対策を徹底解説

「不動産を使った相続税対策が2026年の税制改正で使えなくなる」という話を聞いたことはありますか?令和5年(2023年)の税制改正大綱で改正が予告され、令和8年度(2025年12月)の税制改正大綱で正式に内容が固まった相続税における不動産評価の見直し。令和9年(2027年)1月1日から施行されるこの改正は、これまで富裕層が活用してきた「不動産節税スキーム」に終止符を打つ可能性があります。本記事では改正の内容・影響・2026年中に取れる対策を詳しく解説します。

何が変わる?路線価→購入価格評価への転換

これまでの相続税では、不動産(土地・建物)の評価は路線価方式(国税庁が定める路線価をもとに計算)または固定資産税評価額が使われていました。路線価は実勢価格(市場価格)の約80%程度に設定されているため、例えば1億円で購入したマンションが相続税評価上は6,000万〜7,000万円になるケースが多く、これが「不動産を買うと相続税が安くなる」という節税スキームの根拠でした。

令和9年施行の新ルール:「購入価格を下限とする評価」

令和8年度税制改正大綱(2025年12月)で決定した新ルールでは、不動産を購入・建設した場合、相続開始日から一定期間(3〜5年以内)の物件については、従来の路線価評価ではなく「購入価格(取得費)を下限とした評価」に切り替えるとされています。これにより、1億円で購入した物件は相続税評価も(少なくとも)1億円となり、評価差益による節税効果がなくなります。

項目現行(〜令和8年12月31日)改正後(令和9年1月1日〜)
土地評価路線価(実勢価の約80%)購入価格が上限・実態評価を重視
建物評価固定資産税評価額(実勢の約60%)取得価格をもとに評価
節税効果最大30〜40%の評価減が可能短期購入物件では節税効果ほぼゼロ
対象全不動産相続開始前3〜5年以内に購入した物件

重要な点は「既に保有している物件には適用されない」こと。令和9年1月以降に相続が開始する場合でも、今から5年以上前に取得した物件は従来の路線価評価が継続適用されます。

誰にどんな影響がある?

この改正が最も直撃するのは、次のようなケースです。

① 相続税対策として直前に不動産を購入した人

「親が高齢で相続が近いため、急いで投資用マンションを購入して節税しよう」という計画は、令和9年以降の相続については効果が激減します。特に相続開始の3〜5年以内に購入した場合は、購入価格がそのまま評価額になるため節税効果がほぼありません。

② タワマン節税(高層階の区分マンション)を活用していた人

令和5年(2023年)以降、タワーマンションの高層階に対しては既に「実勢価格を踏まえた評価補正」が導入されています。今回の改正はそれをさらに一般化・強化するものです。

③ これから相続対策で不動産購入を検討している人

2026年中(令和9年施行前)に購入を完了し、5年以上保有できる見通しがあれば、従来の節税効果が一部残る可能性があります。ただし、専門家への早期相談が不可欠です。

詳しくは相続税改正2026年【路線価から購入価格へ】節税スキームへの影響もご覧ください。

改正の背景:節税スキームの「行き過ぎ」と最高裁判決

この改正の直接的な引き金は、2022年の最高裁判決です。億単位の不動産を購入して相続税を大幅に圧縮した事案について、最高裁は「著しく不相当な節税は租税回避として否認できる」と判示しました。この判決以来、国税庁は同様の手法を「総則6項(財産評価基本通達6項)」を適用して否認するケースが増えており、今回の法改正はそれを明文化・制度化したものと言えます。

つまり、従来から「グレーゾーン」だった節税手法に対して、法律でルールを明確にした改正です。不動産投資の正当な目的(家賃収入・資産形成)での購入は引き続き認められますが、「相続税対策だけが目的の短期購入」は否認されるリスクが高まります。

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施行前にできる対策5選

① 現在保有中の不動産の評価額を再確認する

既に不動産を保有している場合は、現行ルールでの相続税評価額を専門家に計算してもらい、相続税の納税シミュレーションを行いましょう。改正の影響を受けない「既存保有物件」であれば、引き続き路線価評価が適用されます。

② 相続財産全体の見直し(ポートフォリオ最適化)

現金・金融資産が多い場合、不動産への組み換えによる節税効果が令和9年以降は薄れます。一方、収益性の高い不動産を長期保有することの資産形成メリットは変わりません。節税目的だけでなく「収益性」「流動性」を総合的に評価した資産配分を検討しましょう。

③ 生前贈与の活用(相続時精算課税・暦年贈与)

令和6年(2024年)の贈与税改正で相続時精算課税の使い勝手が改善されました。不動産節税スキームが使いにくくなる分、生前贈与(特に贈与税の非課税枠活用)の重要性が高まっています。

④ 収益不動産の「出口戦略」を今から設計する

節税目的で購入した不動産を令和9年以降の相続前に売却・整理するプランも選択肢の一つです。不動産投資の売り時・出口戦略を今から専門家と相談することをおすすめします。

⑤ 相続前の不動産購入は「収益性重視」で判断する

「節税効果がなくなるなら不動産投資は意味がない」というのは誤解です。家賃収入による安定キャッシュフロー・インフレヘッジ・レバレッジ効果は不動産投資の本質的な価値です。節税「だけ」を目的にせず、収益性を正直に評価した上で判断しましょう。

不動産投資の出口戦略まとめ【売却・組み換え・相続】もあわせてご覧ください。

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令和9年1月の施行まで約半年。「自分は影響を受けるのか」「今から何ができるか」を確認するだけでも、早めに相談することをおすすめします。

よくある質問

Q. 既に保有している不動産への影響は?
令和9年1月以降の相続であっても、改正施行前から保有している物件は従来の路線価評価が継続適用されます。新ルールは「施行後に購入した物件」に適用されると見られています(詳細は施行令確認が必要)。
Q. 区分マンション投資は今後も節税になる?
長期保有(5年以上)を前提とした区分マンション投資では、引き続き一定の節税効果が期待できます。ただし「購入直後に相続が発生するケース」での節税効果は大幅に縮小します。
Q. 改正の施行日はいつ?
令和9年(2027年)1月1日以降の相続から適用される予定です(令和8年度税制改正大綱に基づく)。2026年12月31日までに相続が開始した場合は現行ルールが適用されます。
Q. サラリーマンが不動産投資で節税するメリットはなくなる?
相続税対策としての節税効果は縮小しますが、所得税・住民税の節税(減価償却・経費計上)は引き続き活用できます。相続税と所得税は別の仕組みのため、混同しないよう注意が必要です。

まとめ:令和9年施行前に動くことが重要

令和8年度税制改正大綱で決定した「不動産の相続税評価見直し(路線価→購入価格評価)」は、令和9年1月1日から施行されます。これまで富裕層が活用してきた不動産節税スキームへの直撃改正であり、2026年中に専門家に相談して対策を検討することが急務です。

既存保有物件は原則として現行ルールが継続適用されますが、新規購入による節税効果は大幅に制限されます。「節税だけが目的」の不動産購入は今後は通用しなくなりますが、収益性・流動性を重視した長期保有型の不動産投資は引き続き有効な資産形成手段です。

施行まであと半年。まずはミライアスの無料相談を活用して、あなたの相続対策の現状を確認してみましょう。

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監修:東京不動産投資ラボ編集部

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