「毎月家賃収入があるはずなのに、なぜかお金が手元に残らない…」
不動産投資で失敗する多くのケースは、キャッシュフロー(CF)の計算を正確にしていなかったことが原因です。表面利回り3.5%の物件を購入したのに、実際には毎月赤字になっていた、というのは珍しい話ではありません。
この記事では、不動産投資のキャッシュフロー計算の正しい方法を、東京都心・区分マンションの具体的な数値例を使って解説します。購入前に必ずチェックすべき計算式と、CFをプラスに保つための実践的なポイントをお伝えします。
Contents
キャッシュフローとは?基本の計算式
不動産投資のキャッシュフロー(CF)とは、家賃収入から各種支出を引いた手残り現金のことです。
月次CF = 家賃収入 − ローン返済額(元金+利息)− 管理費 − 修繕積立金 − 管理手数料 − 固定資産税(月割)− 火災保険(月割)− 空室損失(想定)
それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
東京都心・区分マンション(4,000万円物件)の実例シミュレーション
物件条件の設定
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 物件価格 | 4,000万円 |
| 頭金 | 400万円(10%) |
| ローン金額 | 3,600万円 |
| 金利 | 2.0%(変動・2026年水準) |
| ローン期間 | 35年(元利均等) |
| 表面利回り | 3.6%(月家賃12万円) |
| 管理費 | 月1.5万円 |
| 修繕積立金 | 月1万円 |
| 管理手数料 | 家賃の5%(月6,000円) |
| 固定資産税 | 年12万円(月1万円) |
| 火災保険 | 年2万円(月1,667円) |
| 想定空室率 | 5%(月6,000円相当) |
月次CF計算
| 収支項目 | 月額 |
|---|---|
| + 家賃収入 | +120,000円 |
| − ローン返済(元利均等) | ▲118,950円 |
| − 管理費 | ▲15,000円 |
| − 修繕積立金 | ▲10,000円 |
| − 管理手数料(5%) | ▲6,000円 |
| − 固定資産税(月割) | ▲10,000円 |
| − 火災保険(月割) | ▲1,667円 |
| − 空室損失(5%) | ▲6,000円 |
| 月次CF合計 | ▲47,617円 |
表面利回り3.6%の物件でも、実際には毎月約4.8万円の赤字になります。表面利回り3〜4%台の都心物件をフルローン近くで購入するとCFがマイナスになりやすいということです。
CFをプラスにするにはどうすればいいか?
上記の例でCFをプラスにするための選択肢:
- 頭金を増やす:頭金20%(800万円)にするとローン返済が月10.6万円に減り、CF▲1.3万円まで改善
- 利回りが高い物件を選ぶ:利回り4.5%(月家賃15万円)なら月次CFがプラスに転換
- 金利の低い金融機関を探す:金利1.5%に下げると月返済が約10.9万円に減少
- 物件価格を下げる:3,000万円物件(頭金300万円)であればCFが改善
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実質利回りの計算方法
表面利回りだけでなく、諸費用を考慮した「実質利回り」で物件を比較することが重要です。
実質利回り =(年間家賃収入 − 年間諸経費)÷(物件価格 + 取得費用)× 100
【計算例】物件価格4,000万円・年家賃144万円・年間諸経費36万円・取得費用120万円の場合:
実質利回り =(144万 − 36万)÷(4,000万 + 120万)× 100 = 約2.62%
表面利回り3.6%の物件が実質2.62%になることが分かります。不動産投資で実質利回り3%以上を確保できる物件が、CFプラスの目安になります。
CFに影響する見落としがちな費用
| 費用項目 | 目安金額 | 頻度 |
|---|---|---|
| 入退去時のリフォーム費 | 10〜30万円 | 数年に1回 |
| エアコン・給湯器等の設備交換 | 5〜20万円 | 10〜15年に1回 |
| 修繕積立金の値上がり | 月5,000〜10,000円増加 | 大規模修繕ごと |
| 確定申告費用(税理士) | 3〜10万円/年 | 毎年 |
| ローン事務手数料(借換え時) | 数十万円 | 借換え時 |
修繕積立金の値上がりリスクについては年収別不動産投資ガイドでも詳しく解説しています。
CFをプラスに保ち続けるための3原則
- 購入時から5年後・10年後のCFを試算する:修繕積立金値上がり・金利上昇後のCFを事前に計算
- デッドクロスが来る時期を把握する:デッドクロス後のCFも事前シミュレーション(詳しくはデッドクロス対策ガイド)
- 月次CFがマイナスの場合は「なぜマイナスか」を明確にする:節税目的のマイナスCFと、単純な赤字は区別すること
よくある質問
Q. CFがマイナスでも不動産投資を続けるべきですか?
A. CFがマイナスでも節税効果や含み益で補えるケースもありますが、毎月の持ち出しが5万円超になると長期継続が困難になります。原則として購入時からCFがプラスか、少なくともトントンになる物件を選ぶことを推奨します。
Q. 表面利回りが高い地方物件の方がCFが良いのではないですか?
A. 表面利回りが高くても、空室率・修繕リスク・人口減少による家賃下落リスクが高い地方物件は、実質CF・長期CF共に悪化するケースが多いです。表面利回り8%でも空室率30%なら実質利回りは5%台以下になります。
まとめ
不動産投資のCF計算で押さえるべきポイントは:
- 表面利回りではなく実質CF(手残り)で物件を評価する
- 都心4,000万円物件のCFはローン金利・頭金額によって大きく変わる
- 管理費・修繕積立金・固定資産税・空室損失をすべて織り込む
- 5年後・10年後のCFも事前にシミュレーションする
購入前に正確なCF計算をすることが、不動産投資で失敗しないための最大の防御策です。まず専門家に物件ごとのCFシミュレーションを無料でしてもらいましょう。
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