日銀金利0.75%で不動産投資は「買い時」か【2026年5月 最新分析】

2024年3月にマイナス金利を解除し、同年7月に0.25%、2025年1月に0.5%、そして2025年12月には0.75%へと利上げを続けてきた日本銀行。「金利が上がると不動産投資は不利になる」——そう信じている方は多いのではないでしょうか。

しかし、2026年3月期の銀行決算データを精査すると、意外な事実が浮かび上がります。スルガ銀行の不動産業向け融資は前年比+51.6%増、オリックス銀行は2年間で+112.7%増。金利が上昇しているにもかかわらず、銀行の不動産融資は拡大しているのです。

この記事では、日銀の政策金利0.75%が不動産投資に与える影響を多角的に分析し、2026年現在が「買い時」かどうかを判断するための情報を整理します。

日銀政策金利0.75%の現状:何が変わったのか

利上げの経緯を整理する

日銀の政策金利推移を確認しておきましょう。

時期政策金利主な動向
〜2024年3月−0.1%(マイナス金利)超低金利政策が続く
2024年3月0〜0.1%マイナス金利解除
2024年7月0.25%追加利上げ
2025年1月0.5%17年ぶりの水準へ
2025年12月0.75%さらなる追加利上げ
2026年5月現在0.75%(3会合連続据え置き)次の利上げ時期を模索中

2025年12月の利上げ以降、政策金利は0.75%で据え置かれています。日銀は「経済・物価の動向を見極めながら慎重に判断する」としており、市場では次の利上げ(0.75%→1.0%)は2026年後半が有力視されています。ただし中東情勢や米国の関税政策の影響で、不確実性は依然として高い状況です。

住宅ローン・投資用ローン金利への波及

政策金利の上昇は、不動産投資ローンにどう波及しているでしょうか。

ローン種別2023年(マイナス金利期)2026年5月現在変化
変動型住宅ローン(最優遇)0.4〜0.5%0.8〜1.0%+0.4〜0.5pt
投資用不動産ローン(優良物件)1.5〜2.0%2.0〜2.8%+0.5〜0.8pt
投資用不動産ローン(一般)2.5〜3.5%3.0〜4.5%+0.5〜1.0pt
ノンバンク系投資ローン3.5〜5.0%4.5〜6.0%+1.0pt

金利は上昇していますが、まだ歴史的低水準です。バブル期(1990年前後)の投資用ローン金利は7〜8%台でした。現在の3〜4%台は、長期的に見れば「低〜中金利」の領域にあります。ただし融資コストは確実に上昇しており、キャッシュフロー計算の精度がより重要になっています。

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金利上昇で「銀行融資は縮む」は本当か?2026年決算データで検証

「金利が上がると融資が厳しくなる」——これは直感的に理解しやすい話です。しかし2026年3月期の銀行決算は、まったく逆の現象を示しています。

主要銀行の不動産融資動向(2026年3月期)

銀行不動産関連融資前年比特記事項
スルガ銀行5,991億円+51.6%法人向け急拡大、延滞率も改善
オリックス銀行5,239億円+41.2%(対前々期+112.7%)2年間でほぼ倍増
横浜FG17兆6,674億円(全体)+5.5%不動産業向け比率が高い
ふくおかFG20兆3,068億円(全体)+7.0%九州・東京での投資用物件融資拡大

なぜ金利が上がっているのに融資が増えるのか。答えは「銀行の利ざや改善」にあります。

マイナス金利〜超低金利の時代、銀行は融資しても利益がほとんど出ませんでした。政策金利が0.75%まで上昇したことで「預金金利と貸出金利の差(利ざや)」が拡大し、融資を増やせば増やすほど収益が改善する構造になっています。

つまり今の銀行は「融資したい」状態にあるのです。これは不動産投資家にとって重要なシグナルです。

詳細な分析は「2026年3月期 銀行決算で判明|不動産投資ローンに積極的な銀行を定量比較」をご覧ください。

金利0.75%で不動産投資のキャッシュフローはどう変わるか

シミュレーション:東京都心 区分マンション

実際の数字で確認しましょう。東京都心の区分マンション(価格3,500万円、表面利回り4.5%)を例に取ります。

条件2023年(金利1.8%)2026年(金利2.8%)差異
物件価格3,500万円3,500万円
自己資金(10%)350万円350万円
ローン元本3,150万円3,150万円
借入期間35年35年
月次返済額約100,600円約116,300円+15,700円/月
年間賃料収入(満室)157,500円×12=189万円157,500円×12=189万円
実質年間CF(空室5%・管理費等考慮)約+23万円約+4万円−19万円/年

政策金利が0.75%まで上昇した結果、投資用ローン金利は2.8%前後となり、月次返済が約15,700円増加。実質年間キャッシュフローは約19万円減少しています。

重要なのは「それでもプラスを維持できているか」です。上記の例では2026年時点でも年間+4万円のプラスをかろうじて確保しています。ただし、金利がさらに1.0〜1.25%台まで上昇した場合はマイナス転落のリスクがあります。

金利リスクに強い物件の条件

金利上昇局面で選ぶべき物件の条件は明確です。

  • 賃料の値崩れリスクが低い立地:都心駅徒歩10分以内、単身需要の厚いエリア
  • 表面利回りよりも賃料成長率:利回り4%でも賃料が安定・上昇傾向なら長期で優位
  • 固定金利での調達を選択肢に:変動金利の上昇リスクを遮断できる
  • 自己資金比率を高める:ローン元本を抑えることで金利変動の影響を小さくする

2026年、不動産投資は「買い時」か「待ち時」か

「買い時」と言える根拠

現時点で「買い時」と判断できる要因を整理します。

① 銀行融資は拡大中で「借りやすい環境」が続いている
先述の通り、2026年3月期決算で主要銀行の不動産融資は軒並み増加しています。融資を受けられる環境は依然として良好です。

② 東京の賃料は上昇トレンドにある
インフレ環境と外国人入居者の増加により、東京都心の賃料は緩やかな上昇傾向が続いています。特に単身用(18〜25㎡)の都心物件は空室率が低水準を維持しています。

③ 金利はバブル期と比べれば依然として低水準
0.75%という政策金利は、過去30年の日本の水準で見ると歴史的に低い。投資用ローン金利も3%前後は長期保有前提なら許容範囲内です。

④ 物件価格の急落シナリオは限定的
日銀が急激な利上げに踏み切る可能性は低く、物件価格が短期間で大幅下落するシナリオは考えにくい状況です。

「慎重に」と言える根拠

一方で慎重な姿勢が必要な側面もあります。

① 都心物件の利回り圧縮が限界に近い
東京都心3区の中古ワンルームの実質利回りは2.8〜3.2%まで低下しています。金利上昇分がそのままキャッシュフロー悪化に直結します。

② さらなる利上げリスク(1.0〜1.25%)
市場では2026年後半に追加利上げが見込まれています。変動金利ローンの返済額がさらに増加するリスクは現実的に存在します。

③ 融資姿勢の急変リスク
現在は融資拡大モードの銀行も、経済環境が変わると一転して審査厳格化に転じることがあります。2018年のスルガ銀行問題がその典型です。

結論:属性と物件選びが「買い時」を決める

「2026年は買い時か」という問いに対する正直な答えは、「物件と属性次第」です。

以下の条件が揃う場合は「買い時」と判断できます。

  • 年収600万円以上で投資用ローンの審査が通る
  • 都心駅近(徒歩10分以内)の単身用物件を選べる
  • 自己資金10〜20%を用意できる
  • 金利3%を前提にしてもキャッシュフローがプラスになる
  • 5年以上の長期保有を前提にできる

逆に以下の場合は慎重な検討が必要です。

  • フルローン・頭金なしを前提にしている
  • 地方の高利回り物件で出口戦略が不明確
  • キャッシュフローがトントン〜わずかプラスの物件しか見ていない
  • 5年以内に売却を想定している

不動産投資を始めるなら:会社選びが重要

金利環境が変化している局面では、担当者の質と会社の信頼性がより重要になります。キャッシュフロー計算・税務シミュレーション・出口戦略まで一貫してサポートしてくれる会社を選ぶべきです。

主要な不動産投資会社については、「プロパティエージェントの評判・口コミ【2026年最新】」や「JPリターンズの評判・口コミ【2026年最新】」で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. 日銀がさらに利上げをした場合、不動産価格は下がりますか?

A. 短期的な価格への影響は限定的と見られます。ただし政策金利が1.0〜1.25%に達すると、融資審査の厳格化や需要の絞り込みが起こり、地方・築古・高価格帯の物件で価格調整が起きる可能性があります。都心の優良物件は引き続き底堅い推移が見込まれますが、購入時のキャッシュフロー余力の確保が従来以上に重要です。

Q. 変動金利と固定金利、どちらで借りるべきですか?

A. 政策金利0.75%の現在、さらなる利上げが見込まれる局面では固定金利の選択肢を真剣に検討すべきです。固定金利は変動より0.5〜1%程度高くなりますが、追加利上げのリスクを遮断できます。月次キャッシュフローの余力が+2〜3万円を超えるなら変動も選択肢に入りますが、余力が薄い場合は固定を優先してください。

Q. 金利が高い今、物件価格は下がり始めていますか?

A. 2026年5月時点では、東京都心の区分マンション価格は高止まりが続いています。インフレによる建築コスト上昇と外国人投資家の需要が価格を支えているためです。郊外・地方では一部で調整が見られますが、都心の優良物件は依然として売り手市場です。

まとめ:金利0.75%時代の不動産投資戦略

日銀の政策金利0.75%が不動産投資に与える影響をまとめます。

  • 金利は上昇しているが、銀行の融資姿勢は「拡大モード」にある(利ざや改善のため)
  • 投資用ローン金利は3〜4%台で、歴史的には中程度の水準
  • 都心物件のキャッシュフローは「薄い」が「プラス維持」は条件次第で可能
  • さらなる利上げ(1.0%〜)に備え、自己資金比率・固定金利・賃料安定立地の3点が重要
  • 「買い時か否か」は属性・物件・戦略の組み合わせ次第

不透明な局面だからこそ、専門家への相談価値が高まります。無料で利用できる相談サービスを活用して、自分の属性に合った投資戦略を設計することをおすすめします。

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