相続税改正2026×不動産投資|基礎控除・小規模宅地特例の変更点と節税戦略を解説

「相続税の節税に不動産投資が使える」——この話を聞いたことがある方は多いでしょう。そして2026年、相続税制をめぐる議論が再び活発化しています。

本記事では、2026年時点の相続税制度の現状と不動産投資による節税効果を整理し、投資家が押さえておくべきポイントを解説します。

相続税の基本:2026年時点の制度概要

基礎控除額

相続税の基礎控除額は「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」です。2015年の改正で引き下げられた水準が2026年現在も継続しています。

法定相続人数 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円

東京都心の区分マンション1室(4,000〜6,000万円)を所有しているだけで基礎控除を超えるケースも多く、東京在住の資産家にとって相続税は他人事ではありません

相続税の税率

課税遺産総額に応じた超過累進税率が適用されます。最高税率は55%(6億円超)。1億円以下でも30〜40%の税率が課されるため、不動産を中心とした資産形成を行う方は早期の対策が重要です。

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不動産投資で相続税が下がる「3つのメカニズム」

①評価額の圧縮効果(路線価方式)

不動産の相続税評価額(路線価)は時価の概ね70〜80%程度です。現金5,000万円を相続する場合と、時価5,000万円のマンションを相続する場合では、課税対象額が大きく異なります。

資産形態 時価 相続税評価額 評価圧縮率
現金・預金 5,000万円 5,000万円 0%(圧縮なし)
区分マンション(路線価) 5,000万円 約3,500〜4,000万円 20〜30%圧縮
賃貸中マンション(借家権控除後) 5,000万円 約3,000〜3,500万円 30〜40%圧縮

②小規模宅地等の特例(最大80%評価減)

被相続人が居住または事業に使用していた宅地については、一定の要件を満たすと評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」があります。

特に「貸付事業用宅地等」の特例では、賃貸用不動産の土地部分について200㎡まで50%の評価減が適用可能です(2026年現在、要件・限度額等は税理士に確認を)。

③借入金による債務控除

不動産購入のためのローン残高は「債務」として相続財産から控除できます。例えば4,000万円の物件に3,000万円の借入れがある場合、差し引き1,000万円部分のみが相続財産に加算されます(評価圧縮後)。

2026年に注意すべき改正動向

「節税目的のマンション購入」への規制強化

2023〜2024年にかけて、タワーマンション等を使った相続税節税スキームに対して国税庁がメスを入れました。いわゆる「タワマン節税」への規制(時価乖離率に基づく評価見直し)が2024年1月から適用されています。

2026年時点での注意点:

  • 路線価と時価の乖離が大きい高層マンションは従来ほどの節税効果が期待できない
  • 「節税目的のみ」の購入は総則6項(租税回避の否認規定)適用リスクがある
  • 都心の標準的な区分マンション(6〜15階程度)は依然として評価圧縮効果あり

生前贈与の加算期間延長(2024年改正)

2024年1月の改正により、相続前の生前贈与を相続財産に加算する「持ち戻し期間」が3年から7年に延長されました。不動産収益を子への贈与に充てる場合、より長期的な計画が必要です。

不動産投資を相続税対策に使う際の3つの注意点

①「節税のための不動産投資」は本末転倒になりやすい

相続税の節税だけを目的に、収益性の低い物件を購入するのは危険です。相続税は一度払えば終わりですが、不動産は何十年も保有し続けるものです。まず収益性・立地・流動性で物件を選び、節税効果は付随的なメリットとして捉えるのが正しい姿勢です。

②相続人が「売れない不動産」を相続させられるリスク

地方の高利回り物件や流動性の低い物件を相続した場合、相続税は現金で払わなければならないのに不動産が売れないという状況が起こりえます。都心の区分マンションは流動性が高く、売却・賃貸の選択肢が豊富な点でも優れています。

③税理士との連携が必須

相続税制度は毎年細かな改正が入ります。特に小規模宅地等の特例の要件は複雑で、適用ミスをすると多額の税金が追徴されるケースがあります。不動産投資と相続税対策を組み合わせる場合は、必ず不動産に詳しい税理士と連携してください。

まとめ:2026年の不動産投資×相続税対策の結論

  • 相続税の評価圧縮効果は依然として有効(路線価方式・借家権控除)
  • タワマン節税への規制強化により「節税専用」戦略は機能しにくくなった
  • 都心の標準的な区分マンションは収益性と節税効果を両立できる
  • 生前贈与の持ち戻し期間延長(7年)を踏まえた長期計画が重要
  • 税理士との連携は必須

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執筆:東京不動産投資ラボ編集部 | @trlmarunouchi