実質利回りの計算方法【2026年版】不動産投資の本当の収益を正確に把握する

不動産投資で重要なのは、広告に載っている表面利回りではなく実質利回りです。実質利回りを正しく計算できると、物件の本当の収益力が見えてきます。

前の記事「表面利回りの罠」では、なぜ表面利回りが当てにならないかを解説しました。本記事では、実際に使える実質利回りの計算式と、東京区分マンションの実例を使ったシミュレーションを紹介します。

この記事でわかること

  • 実質利回りの正確な計算式
  • 分子(収入側)に含めるもの・除くもの
  • 分母(コスト側)に含める全項目
  • 購入諸費用の正しい扱い方
  • 東京区分マンション3パターン実例シミュレーション

実質利回りの計算式

実質利回り(%)=(年間実質収入 ÷ 総投資額)× 100

・年間実質収入 = 年間賃料収入 − 年間運営コスト
・総投資額 = 物件価格 + 購入諸費用

シンプルに見えますが、「年間運営コスト」と「購入諸費用」に何を含めるかで計算結果が大きく変わります。

分子:年間実質収入の計算

収入側に含めるもの

基本は実際に入ってくる家賃収入です。ただし、満室想定ではなく空室を考慮した「実効賃料」で計算します。

年間実効賃料 = 月額賃料 × 12 × 稼働率
例:月8万円 × 12ヶ月 × 0.92(空室1ヶ月/年)= 883,200円

コスト側から差し引く項目(全7項目)

コスト項目 計算方法・目安 年額目安(2,000万円・8万円/月)
管理費・修繕積立金 マンション規約に記載の月額 12〜24万円
固定資産税・都市計画税 固定資産税評価額 × 1.4%(都計税は0.3%) 10〜18万円
賃貸管理委託費 月額賃料の3〜5% 2.9〜5.8万円
空室損失 月額賃料 × 想定空室月数/年 8〜16万円(年1〜2ヶ月)
修繕費・設備更新費 築年数・設備状況で異なる(月5,000〜15,000円目安) 6〜18万円
火災・地震保険 物件・保険内容による 1〜3万円
その他(税理士費用など) 確定申告を依頼する場合 0〜5万円

合計コストの目安:年間40〜90万円(物件・築年数・エリアによって大きく異なる)

分母:総投資額の計算(購入諸費用を忘れずに)

実質利回りの分母は物件価格だけでなく購入諸費用を加えた総投資額で計算します。

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購入諸費用の内訳

諸費用項目 目安 2,000万円物件での目安額
仲介手数料 物件価格の3%+6万円(上限) 約66万円
登記費用(登録免許税+司法書士) 物件価格の1〜1.5% 約20〜30万円
不動産取得税 固定資産税評価額 × 3%(軽減措置後) 約10〜30万円
ローン関連費用(事務手数料・保証料) ローン額の1〜2% 約20〜40万円
火災保険(初年度一括払い) 物件・保険内容による 約5〜15万円
その他(印紙代・管理費等精算) 数万円 約3〜5万円
合計 物件価格の5〜10% 約124〜186万円

2,000万円の物件で諸費用が約150万円の場合、総投資額は2,150万円になります。

実例シミュレーション(3パターン)

パターン①:城南エリア・築10年・2,000万円

項目 年額
実効賃料(8万円×12×0.92) +883,200円
管理費・修繕積立金 ▲180,000円
固定資産税 ▲120,000円
賃貸管理委託費(4%) ▲38,400円
修繕費・設備更新(積立) ▲60,000円
保険料 ▲18,000円
年間実質収入 +466,800円
総投資額(物件+諸費用150万円) 2,150万円
実質利回り 2.17%

パターン②:城東エリア・築20年・1,500万円

項目 年額
実効賃料(7万円×12×0.90) +756,000円
管理費・修繕積立金 ▲200,000円
固定資産税 ▲90,000円
賃貸管理委託費(4%) ▲33,600円
修繕費・設備更新(積立) ▲120,000円
保険料 ▲18,000円
年間実質収入 +294,400円
総投資額(物件+諸費用110万円) 1,610万円
実質利回り 1.83%

パターン③:郊外(多摩)・築30年・800万円

項目 年額
実効賃料(5.5万円×12×0.85) +561,000円
管理費・修繕積立金 ▲180,000円
固定資産税 ▲60,000円
賃貸管理委託費(5%) ▲33,000円
修繕費・設備更新(積立) ▲180,000円
保険料 ▲18,000円
年間実質収入 +90,000円
総投資額(物件+諸費用70万円) 870万円
実質利回り 1.03%

パターン③は表面利回り8%以上の物件ですが、修繕費・空室率が高いため実質利回りは1%台に低下します。東京区分マンションの利回り相場と合わせて参照してください。

実質利回りの正しい使い方

実質利回りだけで判断しない

実質利回りは重要な指標ですが、これだけで投資判断してはいけません。以下の軸も合わせて評価することが必要です。

  • キャッシュフロー:ローン返済後に手元に残る現金(月次収支)
  • 節税効果:損益通算・減価償却による税負担の軽減
  • 出口戦略:売却時の価格・流動性・売却益への課税
  • 空室リスク:エリアの需給・人口動態・競合物件数

よくある質問(FAQ)

Q1. 実質利回りの計算で一番見落としやすいコストは何ですか?

A. 「空室損失」と「修繕費の積立」です。空室ゼロ・修繕ゼロで計算してしまうケースが多く、実際の収益を大幅に過大評価する原因になります。

Q2. 購入諸費用はどこで確認できますか?

A. 不動産会社からの「重要事項説明書」や「売買契約書」に詳細が記載されます。概算であれば、仲介手数料(物件価格の3%+6万円)+登記費用(1〜1.5%)+その他で物件価格の5〜8%を目安にしてください。

Q3. 税理士費用は実質利回りの計算に入れるべきですか?

A. 入れることを推奨します。確定申告を税理士に依頼する場合は年間5〜15万円程度かかります。自分でできる場合は不要ですが、始めのうちは専門家への依頼を検討してください。

Q4. 実質利回りが3%を超える東京物件はありますか?

A. 城東・城北エリアの築15〜25年程度の物件で3%台が見つかることがあります。ただし修繕リスクとのトレードオフのため、インスペクション(建物診断)は必須です。

Q5. 計算が複雑でよくわかりません。簡単な方法はありますか?

A. まず「表面利回り × 0.6〜0.7」で概算してください(東京区分マンションの場合)。詳細は不動産会社の無料シミュレーションを活用するのが最も確実です。

まとめ

  • 実質利回り =(年間実効賃料 − 年間コスト)÷ 総投資額 × 100
  • コストに含める7項目:管理費・固定資産税・委託費・空室損失・修繕費・保険・その他
  • 分母は「物件価格+購入諸費用(5〜8%)」の総投資額で計算する
  • 東京都心区分マンションの実質利回りは1.5〜3%程度が現実的な水準
  • 利回りだけでなく、CF・節税・出口戦略を合わせて評価する

著者プロフィール

東京不動産投資ラボ(TRL)編集部|東京23区の区分マンション投資に特化した情報メディア。2026年の金利上昇環境における実践的な投資情報を発信しています。

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東京不動産投資ラボ編集部

東京都心の区分マンション投資を専門に情報発信。再開発エリアの最新動向と資産性分析を中心に執筆。