2026年10月の変動金利引き上げ|不動産投資ローンの返済額はいくら増えるか実額で検証

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日銀は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げました。これに先立ち、多くの銀行が2026年10月から変動金利の基準金利を0.25%程度引き上げると公表しています。10月の引き上げは6月の利上げ(1.00%)を反映したもので、9月の利上げ分はさらに後から届きます。その伝わり方は短期プライムレートの仕組みで解説しています。

「0.25%」と聞くと小さく感じますが、数千万円を35年借りている不動産投資ローンでは、月々の返済に無視できない差が出ます。この記事では、借入額別に返済額がいくら増えるのかを実額で計算し、いま確認しておくべきことを3つに絞って整理します。

2026年10月に何が起きるのか

整理すると、現在の状況は次の通りです。

  • 政策金利は2026年9月18日の利上げで1.25%(約31年ぶりの水準)
  • 多くの銀行が2026年10月から変動金利の基準金利を0.25%程度引き上げ
  • 住宅ローンの変動金利は、2026年9月時点で0.9%以上が過半を占める水準まで上昇
  • 9月18日に1.00%→1.25%への引き上げが実施済み。この分は10月の基準金利改定にはまだ反映されておらず、時間差で後から効いてくる

不動産投資ローンは住宅ローンより金利が高く、金融機関や属性にもよりますがおおむね1.5〜2.5%台が中心帯です。基準金利の引き上げは、住宅ローンと同様に投資用ローンにも波及します。

なお、変動金利には多くの場合「5年ルール」(返済額の見直しは5年ごと)と「125%ルール」(見直し後の返済額は従前の125%まで)が設けられています。ただしこれらのルールがない金融機関もあり、投資用ローンでは適用外のケースが少なくありません。自分の契約がどちらかは、返済予定表や契約書で必ず確認してください。

借入額別・月々の返済額はいくら増えるか

元利均等返済・返済期間35年で、金利が0.25%上がった場合の試算です。

金利2.2%→2.45%の場合

借入額 現在の月返済 引き上げ後 差額(月) 差額(年)
2,000万円 68,324円 70,964円 +2,640円 +31,685円
3,000万円 102,486円 106,446円 +3,961円 +47,527円
4,000万円 136,648円 141,928円 +5,281円 +63,370円

金利1.9%→2.15%の場合

借入額 現在の月返済 引き上げ後 差額(月) 差額(年)
2,000万円 65,231円 67,803円 +2,572円 +30,861円
3,000万円 97,846円 101,704円 +3,858円 +46,292円
4,000万円 130,462円 135,605円 +5,144円 +61,722円

年内にもう1回利上げがあった場合(計+0.5%)

市場の見方どおり年内にもう一段の利上げがあり、ローン金利が合計0.5%上がると、借入3,000万円・金利2.2%→2.7%で月102,486円→110,491円(+8,006円)、年間では+96,068円となります。

表面利回り4%・3,000万円の区分マンションなら年間家賃収入は120万円程度です。年間9.6万円の負担増は、家賃収入の約8%が金利で消える計算になります。管理費・修繕積立金・固定資産税を引いた後の手残りで見れば、影響はさらに大きくなります。実際の手残りの考え方は実質利回りの計算方法で解説しています。

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投資用ローンは住宅ローンより影響を受けやすい

同じ0.25%の引き上げでも、投資用ローンのほうがダメージが大きくなりやすい理由が3つあります。

① 借入期間が長く、金利水準が高い

投資用ローンは住宅ローンより金利が1%前後高いのが一般的です。元の金利が高いほど、同じ0.25%でも総返済額の増加幅は大きくなります。

② 家賃収入は金利に連動して上がらない

住宅ローンなら金利上昇は家計の問題ですが、投資用ローンでは収入(家賃)が固定なのに支出(返済)だけが増えるという非対称が生じます。家賃は既存入居者との契約が続く限り、すぐには上げられません。東京23区のワンルーム賃料は26か月ぶりに下落した局面もあり、家賃で吸収するという前提は置かないほうが安全です。

③ 5年ルール・125%ルールが適用されない契約が多い

住宅ローンでは一般的なこれらの緩衝措置が、投資用ローンでは適用外とされていることが少なくありません。その場合、金利引き上げは次回返済からストレートに反映されます。

金融機関によって反映のタイミングは異なる

基準金利の改定時期と、実際の返済額への反映時期は金融機関ごとに違います。一般に、4月と10月に基準金利を見直し、その数か月後の返済分から反映される設計が多く見られます。自分の借入先がいつ反映するのかは、返済予定表か金融機関への直接確認で把握してください。ネット銀行と地銀・メガバンクでも対応は分かれます。

なお、金利上昇が収支に効いているかを判断するには、金利そのものよりイールドギャップ(ローン定数ベース)で見るのが正確です。あわせて確認してください。

いま確認すべき3つのこと

① 自分のローンに5年ルール・125%ルールがあるか

これがあるかないかで、10月以降の家計インパクトのタイミングが変わります。ルールがある場合、返済額の変更は次の見直し時期まで先送りされますが、その間に増えた利息が消えるわけではありません。未払利息として積み上がり、最終回にまとめて請求される契約もあります。「返済額が変わらない=影響がない」ではない点に注意してください。

② 借り換えで下がる余地があるか

金利が全体的に上がる局面でも、属性が改善していれば借り換えで金利が下がることはあります。購入時より年収が上がった、他の借入を完済した、物件の稼働実績が積み上がった——こうした変化は金融機関の評価を押し上げます。

ただし借り換えには事務手数料・登記費用などの諸費用がかかるため、金利差と残債・残年数によっては損をします。判断基準は不動産投資ローンの借り換え完全ガイドにまとめています。金融機関ごとの姿勢の違いはメガバンク3行の比較や千葉銀行アパートローンの分析も参考になります。

③ 繰上返済と手元資金のバランス

金利が上がると繰上返済の効果は相対的に大きくなります。一方で、区分マンション投資では空室・原状回復・給湯器などの設備交換が突発的に発生します。手元資金を削って繰上返済した直後に空室が出ると、かえって苦しくなります。

繰上返済・借り換え・固定への切り替えのどれを選ぶかは、金利上昇後の不動産投資ローン対応で判断フローを整理しています。金利1%上昇時のより詳しい試算は変動金利リスクを数字で見るをご覧ください。

まとめ

  • 2026年10月から変動金利の基準金利が0.25%程度上がる。借入3,000万円で月約4,000円・年約4.8万円の負担増
  • 年内にもう一段の利上げがあれば、年間の負担増は約9.6万円まで拡大する見込み
  • まず自分の契約に5年ルール・125%ルールがあるかを確認する
  • 借り換えの余地と、繰上返済に回せる手元資金の余裕をあわせて点検する

0.25%は、1回であれば吸収できる幅です。問題はそれが複数回続いたときに耐えられる収支かどうかで、そこは今のうちに数字で確認しておく価値があります。

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※本記事は2026年9月時点の公開情報にもとづく情報提供であり、特定の金融商品や投資判断を推奨するものではありません。金利・手数料の詳細は各金融機関の最新の公表内容をご確認ください。試算は元利均等返済・返済期間35年・借入時から金利一定と仮定した概算です。